一般社団法人日本腸内環境研究協会

役員ごあいさつ

President代表理事 後藤秀彰

「腸は人体の中で最大の免疫器官である」

今日、腸内環境を整えることは、健康で長生きするために重要である・・・という考え方は一般的になっております。

腸内環境の改善をセールスポイントにうたう食品・飲料などは定番のカテゴリーとなり、様々な分野で消費者から広く支持されています。

しかし、身体の健康を保ちパフォーマンスを向上させる上で何故腸が重要なのか、その役割・機能・メカニズムに関する知識を理解している方は、極わずかと言っていいのではないでしょうか。

去る、2022年11月神戸市において「腸内細菌学会」が開催され、腸内細菌と腸内環境の重要性が世界各国の研究者から発表されました。

それによって驚くべき身体メカニズムの事実が報告されたのです。

腸内環境、特には腸内フローラと言われる腸内細菌が及ぼす影響力は、消化・吸収・排泄のみならず、免疫・嗜好・思考・行動と広範囲い至ります

健康寿命は「腸」で決まると言われるくらい、病気を防ぐ免疫細胞の6割は腸にあるのです。食べ物とともに外部から様々な病原菌が侵入してくる小腸は白血球(免疫細胞)が集結して外的を防御する最前線なのです。

また、大腸は病気の発生原。一見すると全く関係がないように思える病気にもほとんど大腸が関係しています。大腸の厄介なところは、排せつされるべき有害物質が体内に吸収され、そのまま血流に乗って全身に蔓延するところです。その結果、さまざまな場所の病気を引き起こす原因になるのです。

これを防ぐためには腸内に溜まった有害物質をすみやかに体外に排出するほかありません。そのために重要なポイントが腸内フローラなのです。腸内フローラの内容によって、大腸が病気の発生源になるか、健康の発生源になるかが決まります。しかし、そのコントロールは薬ではできません。

西洋医学は、病気そのものに着目し投薬や手術といった方法で体の悪い部分に直接アプローチをし、原因を取り除いて治すことを主とした治療法です。

わかりやすく言えば、病気は身体の一部の機能低下である。その部分だけ修理すれば病気は治るという考え方です。

人間の身体を機械に見立て部品だけを修理したり、部品を取りかえれば病気は治るという病気還元主義と呼ばれる考え方で、心と身体は別物と捉えています。

精神を肉体より上位に置く心身二元論であり、精神の働き(知識)によって身体を自由にコントロールしようとする機械論的な生命観なのです。

一方東洋医学は、心身一如の考え方で心と身体は分離されたものではなく、その根っこは同じである。精神と肉体は対立関係ではなく相互補完の関係で、身体の健全だけでなく、精神状態も保たれなければ真の健康は実現できないという考え方です。

自然食品を摂取することは東洋医学的な考え方に近く、腸内環境を理想の腸内細菌配分に整えることによって身体不調になることを未然に防ぎ、人間本来の生命力を引き出すことで、健康を創り出すことが目的と言えます。

腸内環境を整え腸内フローラを理想のバランスに保つことで身体にメスをいれたり、薬に頼ることなく明るく豊かな健康生活を維持増進していくことが理想の高齢化社会につながってゆくことだと考えます

私たち「一般社団法人 日本腸内環境研究協会」は腸内環境の改善方法を研究し、広く発信することで、WHOが提唱する「健康社会の実現」に寄与することを目的として設立されました 皆様方の健康生活の一助となれますよう、今後も有益な情報発信に努力いたす所存でございます。

Adviser顧問 村井美月

この度、一般社団法人日本腸内環境研究協会の顧問に就任いたしました一般社団法人日本栄養睡眠改善協会 理事長の村井美月と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

様々な疾病を予防・改善することができる鍵が、腸にあると私は信じています。腸や腸内細菌に関する研究の進展、また腸内フローラ検査などのサービスはこれからますます発展し誰しも調べることが当たり前になってくることでしょう。腸は睡眠・食事との関わりが深いため、腸のみならず睡眠や食事を含めたトータルにアドバイスできる人材が求められます。その育成業務に邁進したいと思います。

さらに腸ケアアドバイザーを中心としてステップアップができるような講座の企画、皆様のお役に立てるような情報の提供、腸内環境における研究調査、及びその道にたけたスペシャリストなどもお招きした研究発表会等も近い将来できるような一般社団法人 日本腸内環境研究協会に発展できるよう尽力つくす所存です。

“腸内環境を整えることで日本全国の方が心身ともに元気になる活動”を自信を持って皆様と一緒に進めて参りたいと思います。

村井美月 むらい みづき プロフィール
・一般社団法人 日本栄養睡眠改善協会 理事長
・特定非営利活動法人 睡眠時無呼吸症候群ネットワーク 常務理事
・日本睡眠学会 会員

女子栄養大学卒・同大学院にて修士(栄養学)を取得。睡眠とセロトニンなどの遺伝子多型について研究・海外にも論文発表する。
企業における睡眠を中心としたメンタルヘルスの研修・講演活動ならびに睡眠・栄養に関する執筆に従事している。主な著書に、『快眠は作れる(角川新書)』、『マンガでわかるうつゼロ(マキノ出版)』、『今日からあなたが自信をもって生きていく方法(カナリアコミュニケーションズ)』がある。